TO BE FREE

〈自分になる〉ために

マンションを買ってから、1ヶ月が経つ

自宅を購入するということに、僕はさほどの決意などなかった。

その場所が好ましく、あまり無理せずに買える金額だったから、買った。

状況は突然変わる。あまり重く考えることもなく。
東京に出てきたのは5年前だが、今のマンションはあれから5回の引越しの末に
たどり着いた場所だ。

そして、きっと僕らはここに落ち着く。
少なくとも、そうありたいと願っている。

たくさんの物を捨てた。
ソファ、テーブル、椅子、服、タンス、その他こまごまと・・
そして新しく買った物を、僕らはなるべく愛せる物をと、
時間をかけて選んだ。そしてまだ選んでいる物もある。

マンションを買ったのは、説明を受けて1週間で判子押したのに、
リビングの照明を選ぶのに1ヶ月かかってしまった。

素敵なテーブル(木製の楕円のテーブル)と
カーテン(白地にエメラルドグリーンの模様入り)を最初に買ったものだから、
その後の作業は、選び取るというよりは、合わせるという気持ちだった。

望ましい生活を、僕はムツカシク考えていて、奥さんは、ときどき笑う。

子供は、新しい家でも変わらずに走り回る。
扇風機の風を浴びると笑う。
高いところに登れなくて怒る。

僕は、かつては想像もしなかっただろう生活を送りながらも、
全部、意図して選び取ったものなんじゃないかと思うことがある。

そうなりたいから、そうなったのだ。
そうありたいからこそ、そうなのだ。

僕はもうすぐ28歳になるけれど
今のほうが、ずっといい状態で、
そして未来が、今よりずっといいものだと、感じている。
それはすべて意図であり、意図がある以上、そうなるのだと
何故だか、疑いもなく思っている。

素敵なカーテンが、その後の葉っぱの模様入りのラグや
アイボリーのソファや、緑のガラス細工のテーブルライトにつながるように
僕は、確かに、出発点を手に入れているのだ。