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TO BE FREE

〈自分になる〉ために

日々にして

生きていく中で、人はずいぶんたくさんの物事を選んでゆく
それはきっと生まれた瞬間から続いているのだろうけれど
大人になったと気づいた瞬間を少し超えた頃
僕は、物事を理性的に選ぶことしかできなくなった

ここは、あそこへつながる道だから
そんなことを考える
そして、そんな考えに、満足しさえする

僕が通り過ぎてきた道のりを振り返ってみても
決して正しく振り返ることはできないから
うすぼんやりとした先の方へと視線を向ける

今いる地点を基準にして、数ミリから数光年
何にも変わらないような気持ちにもなるけれど、ね

だけど時に予想もつかないことが起きたりもする
子供の笑い顔や泣き顔を思い出して笑う
悔しそうな顔を思い出して泣く
その表情のほとんどに、いつかの僕が見えてくる



ふと気がつきそうになる瞬間に言葉は指先を離れる

そして、変わらない日々


時々思い出すのは、
恵比寿の冬の空や、
吉祥寺の路地裏や、
下北沢の部屋飼いの犬や、
それも真っ白な家の中にいる真っ白な大型犬、

街の風景の次に、誰かのことを思い返す。
その誰かと、何を話していたかは、秘密にしたまま
そしてそのまんま、忘れてしまった