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TO BE FREE

〈自分になる〉ために

好きな人たちと、またいつか


僕が今の会社に入ってから3年目が終わろうとしている。
例年この時期皆がそわそわしているのは、
人事異動があるからだ。

僕も例に漏れず、転勤となった。
ひとまず東京都内ではあるが、
一度も行ったことのない場所への転勤となった。

思えばこの3年間、僕はずいぶんと苦しんだ。
だから、僕はブログを書き始めたのかもしれない。
それはこのブログを始めた時期と僕の今の支店での勤務を始めた時期が
ほとんど同じことからも思う。

僕はあの頃ひたすらに、寂しくて、落ち着かなくて、
いるべき場所を探し続けていた。
世界中に忘れ去られたような気さえしていた。

3年間の関心事が仕事ではなく、恋愛であったり、文化であったことは、
逃避だと言われてもしかたがない。
きれいなものを見ていたい衝動は僕を、
少なくとも一日一日、生きていようというくらいには、
奮い立たせた。

週末に好きな人と会うために働いていた。
本を買うために、映画を見るために働いていた。
誰かがいつか僕をしかるべき場所へ連れて行ってくれる、
その日を待つように、働いていた。

ともあれ、後ろ向きだった僕の会社員生活は
少しずつ変容していった。
僕は頭がいいわけでも、体力があるわけでもないけれど、
いつも回りには僕をかばってくれたり、買ってくれる人がいた。
子供のころからそうだったような気もする。
そして危ういところで運が味方してくれたりして、
支店での成績が一番になった。

会社での余裕が私生活に影響することもあった。
今の奥さんと出会う前だ(とあらかじめ言っておくけれど)
会社の先輩に恋愛に似た気持ちを抱くようになった。

会社の関係の人に恋をすることなど、以前なら考えられなかった。
会社を連想させる一切の物事はプライベートから排斥したかったから。

だから僕が先輩を休日のデートに誘ったときには、
なんとも言えない達成感があった気がする。

結局その気持ちはお互いにとって恋になりきれずに終わってしまった。
この前、「もう最後だからね」と前置きがあってから夕食に誘われた。
ダーツをしながら、なんとなく昔のことや、今のことを話していた。
これからのことはあまり話をしなかった。

お互いにとって一番「いい時期」が終わってしまったということが
分かってしまっている関係は寂しい。
友達でも家族でも、これ以上を望めないとわかってしまってハッとする。

3年間と言えば、中高校での入学から卒業までの時間であり、
それは胸熱く涙を呼ぶものだ。
だけど今の僕にそれがないのは・・

もう別れに慣れすぎたからだろうか。
また誰かと出会えることを知っているからだろうか。
すでに、今ある関係性だけでこと足りているからだろうか。

「また、いつか。」

そうやって幾年月・・