TO BE FREE

〈自分になる〉ために

パスカルの結婚


明日は初めて結婚式の二次会というものに出る。

結婚というものは、突然にやってきては
大きなうねりに巻き込んでいく。

明日の式とは別の話だが、
先日、大学時代のバイト友達のSさんが結婚するということで、
同じくバイト友達のHさんから電話があった。

お祝いに全員が集まることは難しいけれど、
もしできたら楽しいだろうなと思う。

そこにはSさんが好きになった男が二人いるし、
僕はHさんを好きだった。
そんなことは、もう忘れているんだろう。
事実としては覚えていても、
まるで他人事のような過去。

Hさんは僕が初めて異性として意識した年上の女性だ。
以来、思えば僕は年上の女性にとらわれ続けている。
Hさんにはいつも彼氏がいた。

「姫」と呼ばれるHさんは、
王様や女王様よりも
絶対専制君主だった。

姫は王の庇護を受けてこその権力者だろうが、
彼女に関しては、王よりも強かった。
性質として。

なんだっけ。

Sさんの件で昼休みに電話があった。
とても声が大きく、
福岡生まれの僕が使おうにも使いこなせない
生粋の博多弁を使いこなし、
ほぼ一方的に喋っていた。
通過列車のような騒々しさで。
でも懐かしかった。

「シヨッチャローモン」
「フザケンドキーヨ」
「アンタフザケトー」

「ウン、ソウダネ」
「ドウダロウ、オレハヨクワカラナイ」
「イヤイヤ、ソンナコトハナインダケドネ」

会話が成り立ったかどうかもよく分からないけれど、
なんとなくお互いの近況は分かった。

そして姫には恋人がいなかった。
なんだかいるのが当たり前な気がしていたので、
まるで冗談のように薄っぺらい嘘のようだった。

「みんなは彼女おるとー?」

思い返せば、
みんないる(笑)
少なくとも今回Sさんの結婚に関して声をかけられた人は全員。
・・一人、ちょっとはっきりしない感じの男もいるが。

姫に恋人がいるなら、僕は独りだ。
対偶
僕が独りでないならば、姫に恋人はいない。

そして僕は告げた。

「俺も結婚するんだ」

入籍日は、2006年9月23日。