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TO BE FREE

〈自分になる〉ために

住むところが、また欲しく


机の脚が折れたとき。
本棚に本が納まらないと気付いたとき。
ここにいる自分に飽きてしまったようなとき。

ああ、去り時だな、と思う。
ここから引っ越したいと思う。

独身寮という場所には、敷き詰めたような孤独がある。
これは、たとえば学生寮とはまた違う。
社会人にとっての独身寮が
人によってはここが終の棲家となる可能性もあるという意味で。

そんな場所に何故留まるのか。
実際僕のような20代の人は勿論。
50代の人もかなりいる。
そして60歳になった時。
定年という区切りと共に追い出される仕組みだ。

だが、そこまで至る人は少ないそうだ。

何故か。
60になるまでに死んでしまうのだ。
今月もひとり40歳くらいの人が玄関で亡くなったが・・
健康を害してしまうのだ。
日当たりも悪く、憂鬱さを増し、
そして生活もおざなりになってしまう。

こんな環境にあってなぜ出て行かないのか。
それは、表向きには家賃が圧倒的に安いということがあると思うが、
僕が思うのは、
ほんの6畳さえ管理していればいいという気安さだ。

6畳の部屋と、会社と。シンプルだ。
実に楽だ。
そして少しずつ気力を失う。
そこから
環境を変えるというのはなかなか気力の要ることだ。


6畳からの発展をのぞまない人に、人間関係の発展が難しいことは、
分かってしまう。
もともとは結婚できなかったのかもしれない。
それがいずれ、結婚なんてめんどくさい、となってしまうんだろう。

そして僕はここを去ろうと思う。
新しい場所を探そうと思う。

恋人との結婚を考えると、
あまり合理的ではないのかもしれない。

独身寮を去るということは、
世帯寮への移転がスムーズではなくなるということだ。

独身寮から世帯寮への移転は当然だが
賃貸マンションなら、そのまま結婚しても住みなさいよ
という話だ。

まあ、それでもいい。
確かにお金はかかる。

だけど得るものは大きいはずだよ。
今のように、隣に同じ職場ながら神経症の人を置くよりは、
お金なんか、たいしたことないね。


白い壁と青い階段と
緑は光で和らいでいて、
ときどき風を感じることができる。
好きなときに好きな音楽を聴くことができて、
誰かのことを気にせず御飯を作って、
いちいち部屋を出るたびに職場の人と会ってしまうような
不安もなく、
恋人と、心置きなく過ごすことができる。
そんな部屋を探そう。

そして新しい机とテーブルと本棚と。

そうゆうこと、とても豊かだと思う。
社宅でわずかばかりのお金のために心を砕くよりずっと、
豊かなことだと思う。

ああ、
大学のときに住んでいたとこみたいに
自転車で15分以内に
図書館と、美術館と、博物館と、海と、スタバがあるようなとこ
あればいいな。

なんかおすすめ物件あればぜひ教えてくださいね。