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TO BE FREE

〈自分になる〉ために

僕が右手を見つめている理由

今日のデートについて、ここに書けることは実は少ない。
どうにも照れくさいのだ。
なにしろ、相手はこのブログを知っている。

秘密日記というシステムもないので、仕方ないから、
書けるだけ書こうかな。細かい部分は省略。

今日は、待ち合わせのときからわくわくしていた。
はじめて会う人だったから。
最初はお互い緊張していたのだが、それも数分。
簡単に打ち解けた。
お互いに話しやすいタイプの人間だったと思う。

昼御飯を新宿で食べて、六本木ヒルズに移動した。
お目当ては、森美術館で催されている展覧会。

秘すれば花-東アジアの現代美術-」
ストーリーテラーズ-アートが紡ぐ物語-」

森美術館は主に、現代美術やデザインを取り扱う。

印象に残ったのは、「秘すれば花」の展示物のひとつ。
リン・シュウミン作 <<催眠No.1>>だ。
仕切られた何もない部屋に二人で入った。
上を見上げると、天上に家具が逆さまに取り付けられている。
そう、不思議な部屋を見下ろしている気分になるのだ。
僕たち二人は横になって、しばしその部屋を眺めた。

「同じベッドに入っても同じ夢は見れない」
そう寺山修司は語ったが、
僕はあの瞬間だけ、幻想を共有しているような気分になった。

他にも色々見たけど省略。
その後、展望台で東京の風景を眺めた。
あれはなんだろう?とか言いながら。

今日は、
たくさん話した、話を聞いた。
手を繋いで歩いた。
それが、それだけのことが、予想以上に嬉しかった。
すげー、弱ってたんだなと思う。

隣にいた。今までの恋といえば、
相手は前にいたり後ろにいたり横向いていたり。
二人だっていう気分になれなかった。
今日は、きっと久しぶりに二人きりだったから、
楽しかったのだ。

結局、今日は彼女の友人が泊まりに来るということで、
夕食は一緒にできなかったけれど、
また会える、と思うと、
元気になったりするんだ。



帰りがけ、気持ちのいい風が吹いていた。
きっとこれからは梅雨で雨なのだろうし、
梅雨が明ければ真夏なのだから、
気持ちのいい夜は、これで終わりなのかもしれない。
と思って、一時間ほど、団地の人気のない一角を走った。
HDプレイヤーランダム再生で。
毎回1100曲分の1を繰り返して、
この機械は今の僕の気分の音楽を鳴らしてくれた。

そんなおり。大学時代の塾講師のバイト友達から、
「彼女ができたよ」というメールが来た。
とても嬉しい気持ちになった、
この男は、決して恋話などしなかったしね。
同じように先週、塾バイトの別の友達からも
「彼女ができたよ」といわれた。

うんうん。すばらしいね。
アルバイト時代。僕は、毎日のように彼等に僕の恋の話をしていたが、
彼らはあまりしなかった。
そんな彼らを見て、「大人だなー、俺はダメだよね・・」
と思っていたけど、最近は結局皆恋に悩んで頑張ってるんだなって
分かったから、どうにも心強いのである。

なんだかこの歳でなお思春期をこじらせているような僕だけれど、
いつかきっと・・!て思うんだ。
右手のぬくもりは今もなお。