TO BE FREE

〈自分になる〉ために

膨張していく思考に与えられた世界は有限で

と、回りくどいタイトルだが、
今日の、部屋の整理の話である。
ふと部屋を見ると、本やCDやDVDが棚に収まりきれずに
散乱していた。
これはいかんと思い、いくらか捨てるか売るかしようと思って思案したのだが、
2冊の雑誌以外は皆惜しくなった。

仕方ないので本棚を二つ買った。
近所のダイエーで。
どうでならかっこいいのを買いたかったが、
今すぐ何とかしたいといいう衝動に任せ、
普通の木目デザインの棚を買った。

部屋で必死に組み立てるもこれがなかなか大変・・
ねじがしまらない。
休み休み少しずつまわしていった。マメができるほどに大変だった。
で、できあがった棚に中身を詰めていったら、ぴったり。
やった!と一度思ったものの、
このままじゃまた新しいものを買ったときに収まらないと気付いた。

この部屋が本でいっぱいになるまでに大きな部屋に引っ越したいものだ。


結婚しても自分の部屋がほしいなって思う。
僕だけの世界を持ちたいと思う。
好きな人と共有したいものもあるが、僕だけのものにしておきたいものもある。

僕の母も父も兄弟も自分だけの部屋を持っていなかった。
子供部屋は兄弟三人で使っていた。
だが、中身のほとんどは、父親の本とステレオとレコードだった。
漫画や小説がたくさん。
サスペンス物と歴史物が多かったかな。
なかには青少年に有害であろうと思われる漫画もあり、
父はそれを隠してはいたのだが、簡単にばれた。
僕はこっそりと見ていた。

その本の全ては、もうその部屋にはない。
母親が、売ってしまったからだ。
離婚のどさくさにまぎれて。
父親が出て行っている間に。

僕たち兄弟も、梱包の手伝いをした。
確か、売値で5万円ほど。
ステレオなどは、もう価値がなく、ただで引き取ってもらった。

父が、荷物を取りに来たときの絶望を、今の僕には感じられる。
寂しかったのだろうと。
そこにあったのは、父の人生そのものだったのに。
「漫画は・・捨てたのか?」と聞かれた僕の気持ちを、
母親は死ぬまで知ることはないのだろう。

母親にはその価値が分かっていなかった。
むしろ、邪魔で忌々しいものでしかなかったのだろうが。
なにしろ母親は生涯を通して、おそらく一冊の本も読まないのだろうし、
音楽もテレサテン以外は聴かないだろうから。

僕は、好きな人でも母親でも、僕のこの本棚を侵そうとする者がいたら、
決して許さない。それはお金の問題ではないのだ。
尊厳だ、人生だ、自分自身だ。

僕が読んでいる本を、決して父親は読まないだろうし、
僕も父の好きなジャンルのものは読まない。
だけど、根本的なところでは、やはり父親の子供なのだと思うことがある。

僕は必ず、自分の価値観を理解してくれる人と出逢ってみせる。