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TO BE FREE

〈自分になる〉ために

インフルエンザウイルスの悲哀


胃がいたいのが直ったかと思えば風邪をひいた。
残念なことに、自分の存在を感じるのは、こうゆう痛みを伴う時だ。
生きている実感がほしいと言って喧嘩をする青春漫画の不良がいた。
人は、自分の存在を、痛みをもって時々思い返したように感じる。
僕は、自分と世界の境界を意識していたい。おそらく誰もがそう思っている。
「モードの迷宮」という興味深い論文がある。うろおぼえだが。
人が、自分と同じ体温の液体に浸かっていると、自己のアイデンティティが崩れ、
狂ってしまうそうだ。服は境界をはっきりさせるためにできている。
たとえば、服が恥部を隠すため、寒さを防ぐためなら、ヒール、コルセット、ベルト、
指輪、などは邪魔でしかない。だが、これを身につけることで、人は自分を認識できる。
セックスは、他者を受け入れながら、自分を強く認識する行為だ。
溶け合いながら強く他者の存在を感じる。
 次は「不滅」からだが、他者と自己を区別するためには、二通りの方法があると。
足し算式と引き算式。他者と区別するために自分のオリジナルな部分を付け足していく方法(足しすぎて、本来の自分が見えなくなる危険を伴いながら)。
自分の性質の中から、オリジナルでない部分を差し引く方法(結果自分には何もないと気付く危険を伴いながら)。
 僕は足し算式だ。足しすぎて、本来の自分など見えやしないが、見えなくていい気がする。
見えたところで、という思いもある。見えないほうが愛しやすいよ。想像力による補完。
眼鏡なんかかけなけりゃよかった。なんだっけか。
 そういえば最近の、血液型占いの流行には辟易する。自分らしさの重要性を謳いつつ、
カテゴライズされる安心感もほしいってか。僕はAB型だ。なら二重人格だと。
僕はそして獅子座だ。リーダーシップを発揮するのだと。僕は九州男児だ。男らしいんだ。
僕はロックもポップもテクノもジャズもクラシックもシャンソンボサノヴァも好きだ。
・・どうする?
・・まあいいや。
残念だな。そのどれもが正解で,大はずれだ。
僕は、僕だ。瞬間瞬間生まれ変わっているんだ(嘲笑)。
ところで、インフルエンザウイルス!お前も哀しいな。形を変えどもいつだって災厄でしかない。
僕のところには来るなよ。かまっている暇はないんだ。