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TO BE FREE

〈自分になる〉ために

汚れつちまった悲しみに


今日は、楽しみにしていたのです、あなたと会えることを。
朝から早起きして準備したのです。この前あったときは黒タートルだったから
今度はトルネードマートの胸元が軽く開いたニットにしてみようだとか、
漫画を貸してと言っていたから、どれがふさわしいかを考えたりしていたのです。
結婚について悲観しているのなら、逢坂みえこの「ベルエポック」がふさわしかろうと。
用意を済ませ、cliniqueのhappyのオードトワレをつけていざ行かん!
ひとまず早くつきすぎたので本屋で立ち読みしていたらメールが。
いつもの遅くなりますメールかと思い、「やれやれ」と思っていたら・・
「今日は行けません」と。なんとそっけないメール。胃が、痛くなる。
そのとき読んでいた中原中也の詩から抜粋。

おまへ、見るがいい、よく見るがいい、
ろくろく笑へもしない私を見るがいい!

人には自分を紛らはす力があるので、
人はまづみんな幸福そうに見えるのだが、

人には早晩紛らはせない悲しみが来るのだ。
悲しみが自分で、自分が悲しみのときが来るのだ。

長い物憂い、それかといつて自滅することもできない、
さういふいたましい時が来るのだ。

悲しみはしつっこくてなほも悲しみ尽くさうとするから、
悲しみに入ったら最後止む時がない!
(以上中原中也の冷酷の歌より)

愛情はとめどなくあふれ、それを彼女に尽くしていたけれど、
もう枯れそうだ。少しでも、愛情のかけらでも返してくれれば、
僕は何倍にも育てることができたろうに。